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2021.3.8(月)宮沢和史「次世界」コンサート@なんばHatch

寒い雨の東京を出て、今年はじめての新幹線で去年は一度も行けなかった大阪へ。現地は快晴。ライブ二日目にして最終日、バンドのモチベーションは更に高まっている。

移動の車中から、御堂筋の街並みを見る。ふと、「今、大阪は緊急事態宣言下じゃないんだ」と思い出す。2時間半の旅で、少し違う世界にやってきたような気分にもなる。



なんばHatchに到着。変わらない景色と響きにホッとする。一昨日のライブの録音を聴いて、よりアグレッシブにプッシュするように楽器のセッティングを少し変えた。





順調にリハーサルは終了、楽屋で談笑。



本番が始まる直前、MIYAから「今日はどんどんアピールして攻めるライブにしよう」と一言。「客席から声を上げることは控えてほしいマナーだけれど、立ち上がることは禁じられていない」とも。よし、わかった。


そして、宴が始まった。

演奏はよりダイナミックに、MIYAは丁寧に、でもエモーショナルに。MCでは前回にも増して饒舌で、客席から何度も笑い声が響いた。バンドも秘めた熱を解き放って、長い拍手に応える。


「God partⅢ」のイントロでステージ前方に出て、長めのギターソロを弾いた。MIYAのバンド以外ではほとんど披露しない、ど真ん中のロックギターソロ。MIYA曰く「邪悪な高野寛」(笑)。「ジャーキー高野」ともいう(笑)なんやねんそれ。ソロ終わりで、客席に「立ちなよ」とアクションで煽る。会場は更に揺れた。


終盤、最高潮にヒートアップした客席から思わず歓声が飛んでくる。そんなありがたい声を静かにMIYAがたしなめるようにクールダウンする。声のない思いが飛び交い、歌と音と拍手で応える。こんな経験も、今しかできない貴重な瞬間だ。この不自由な環境の中でもライブの火を絶やさないように、みんなが知恵を出し合いルールの中で祭りを続けていく、そうやっていくしかないんだろう。


ライブ初日にはいつも独特の緊張感がある。そしてツアー最終日にはいつも、楽しさと終わってしまう寂しさのような感慨がある。握手・ハイタッチの代わりにグータッチ。たった2本の「ツアー」にも、物語は凝縮されていた。


ありがとう。





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一夜明けて。疲れはあまりない。久しぶりのエネルギッシュなライブで、忘れかけていた魔法が蘇って、細胞が活性化した感覚。



「地球という船に揺られて 今夜も銀河系のどこかを彷徨う

僕は宇宙飛行士 だけど 飛べないアストロノート」(宮沢和史「アストロノート」)


ヒトという船に揺られながら、無生物のウイルスが、変異しながら増殖してゆく。ならばヒトも、地球という船に揺られながら、変異しながらサバイヴする。


まだすぐには変われない、変わらないけれど。でもこうして、時々音楽の力に救われながら、次の世界を目指す。寝覚めのぼんやりした頭に、昨夜の歌がループしていた。




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