2021.6.9(水)アメリカン・ユートピア

忙しい日々がやっと過ぎて、久しぶりに日記を書く心の余裕ができた感じ。


昨日はスパイク・リー監督、デヴィッド・バーン出演の「アメリカン・ユートピア」を観てきた。評判以上に良かった。




70年代末に登場したバンドの中でも、トーキング・ヘッズとXTCは規格外の存在だったと思う。普通のロックじゃなかったからパンク・ニューウェーブにカテゴライズされただけ。特に欧米以外の音楽の面白さを紹介し続けているデヴィッド・バーンの活動はずっとフォローし続けていて、メルマガも登録しているし、時々「デヴィッド・バーン・ラジオ」も聴いてる。


「アメリカン・ユートピア」はミュージカル(エンタテインメント)とコンテンポラリーダンス(アート)の要素が強い娯楽作品だが、同じくらいの強さで(政治的)メッセージが押し出されている。移民にルーツを持ち、今のアメリカに暮らすアメリカ人には避けて通れない問題。そのギリギリのバランスでショウが成立していることがとてもニューヨーク的で、感動的だった。


メンバーのパーカッショニスト、ステファン・サンファンは古い友だちなので、彼が活躍しているのを観ることができたのも嬉しかった。




ブラジルのリオにはたくさんの音楽の親友がいる。ステファンはそんなリオ在住のミュージシャン仲間の一人として、2006年頃出会った。代官山UNITのモレーノ・ドメニコ・カシン+2のライブに僕と小山田君と嶺川貴子さんがゲストで呼ばれた時、サポートで来日していたステファンと初めてセッションした。そのライブの後ステファンは、2〜3日僕の家に居候してた。彼が「泊めてもらったお礼に、mp3をプレゼントするよ」というので、レアなアフロミュージックのファイルをしこたまもらって、僕は代わりに矢野顕子さんとか、ブラジルで入手しにくそうな日本の音楽をたくさん紹介した。


その後2014年に僕のソロ・アルバム「TRIO」をリオで録音したときも、ステファンがスタジオに遊びに来たので、急遽飛び入りしてシェイカーを振ってもらった。その次の夜だったか、カシンのスタジオに遊びに行った時にその場に居たみんなと撮った写真。




ステファンはその時はリオに住んでいたけれど、もともとフランスの人。ずっと世界を旅していて、しばらく西アフリカに暮らした後リオに渡ったらしい。フランス語で歌っているソロアルバムはセルジュ・ゲーンズブールみたいだ。





そんなステファンが5年位前だったか、ニューヨークに移住してデヴィッド・バーンと一緒にやっているという風のうわさが届いた。


映画の中で「ライブを観た人が、(あまりに演奏が完璧なので)録音に合わせて当て振りでやってるんじゃないの?と訊いてくるんだ」とデヴィッド・バーンが話した後に、メンバーを紹介するくだりがある。そう勘違いしてもおかしくないくらい素晴らしい演奏だった。全員が歌えて、テクニックを表現のためにストイックにアンサンブルに落とし込める凄腕のメンバー揃いで、そこにステファンが混じっていることが誇らしかった。


そのメンバー紹介の後のソロコーナーでトーキングドラムを叩いていたブラジル人のグスターヴォ・ディ・ダルヴァとも一度だけセッションしたことがある。2008年の秋、GANGA ZUMBAのメンバーとして日系ブラジル移民100周年のイベントに参加したとき。グスターヴォはジルベルト・ジルのバンドメンバーとして来日していて、僕らの曲にビリンバウで飛び入りしてもらったり、アンコールセッションで「島唄」をTHE BOOM + GANGA ZUMBA + ジルバンドで演奏したのは忘れられない思い出。


スパイク・リーの臨場感あふれる映像に加えて、セッションしたことのあるミュージシャンが二人もバンドにいるのだから、気持ちはすっかりスクリーンの中に惹き込まれてしまって、本当にライブを観ている気持ちになれた。最後にステージを降りたメンバーが交わした「最高だったね」という一言のリアリティ。立ち上がって声を上げて拍手したかった。実際にあのライブを観ることができたら、絶対、泣く(笑)


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昨日今日と東京は30℃超え。まだ梅雨入り前。オリンピックはやる前提で、報道も工事も続き、海外選手団の入国も始まっている。暑さ+コロナ、まったく、どうなることやら。


5月以降、落ち着かない天気とシンクロしてしまって、体調が今ひとつ。病院に行くほどではないけれど、時々喘息の吸入したり。副作用で声が枯れるから吸入はなるべく使いたくないんだな...


6/18(金)に予定していた東京の有観客+配信ライブは、緊急事態宣言延長の影響で開演を20:30から18:00に繰り上げしなければいけなくなり、金曜なので間に合わない人が多すぎるだろうという判断で、結局8/7(土)に延期に。飲食店とライブはノンアルコールで20時までに閉まるが、学校も道の渋滞も通勤電車も、緊急事態の様相ほとんどなし。なにしろ2021年に入ってから、東京は1月8日~3月21日、4月25日~6月20日と、ほぼずっと緊急事態下。ちなみに発表の感染者数は少し減ってきているが、検査数もだいぶ減っているらしいので、油断はできない。



コロナとオリンピックの話は記録しておきたいことが山程あるけど、また気力のあるときに。





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