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2021.2.14(日)10年目の冬の終わりに心は揺れる

今日は、上着が要らないほど暖かかった。





昨夜、そろそろ寝ようと思った23時過ぎ、音を消して付けていたテレビに地震速報が。東北に強い地震が来るという。間もなく、部屋が吊り橋のように揺れ始めた。


久しぶりの、やばい揺れ方だった。揺れの周期が長かったからか、揺れの最中はほぼ無音で、部屋の物が倒れたりの被害は幸いなかったが、吊ってある照明は大きく振り子のように揺れ、船酔いのように平衡感覚が乱れた。まだ揺れているのか、感覚が酔っているのか、しばらく区別がつかなかった。

携帯の緊急地震速報が鳴らなかったとツイートしている人も見かけたが、僕はもう何年も前から速報が鳴らない設定にしてしまっている。あのアラーム音を聴くたびに、大震災の心の傷が疼いてしまう。耳に突き刺さるような不穏な響きは、アラームの機能をよく果たしていると思うが、ミュージシャンは音に過敏なのだ。震災のトラウマと相まって、何度聴いても心臓に悪い。速報を切っていても、今まで例外なくどこからかすぐ情報は伝わってきた。特に東京にいる限りは。


震源は10年前とほぼ同じ、福島の太平洋沖だった。東北の強い所で震度6強。東京は震度4。10年前からの習慣で、災害時はできるだけ有益な情報を拾って、SNSでシェアする。貴重な情報源にもなるタイムラインをゴミで汚さないように厳選して。


震災から10年が経ち、コロナ禍であの時とは違う苦難を迎えている日本に、冷や水を浴びせるような余震。そう、10年経ってもまだ余震。スマトラ地震では、15年経っても余震があるという。向こう1週間は、さらなる余震に警戒とのこと。コロナ禍の災害は本当に勘弁してほしい。


今日の午前中までは、関東や静岡の広範囲で停電していたらしい。今回は津波もなく、原発も無事なのは良かった。災害の向こうには、メディアが拾いきれない被害がある。亡くなった方の報告は幸いまだないけれど、例えば停電して暖房が使えなくなった家、断水してしまった家に想いを馳せる。


震災の時東京に居た僕は、自分の立場を「傍観者以上、被災者未満」だと思っている。直接的な被害は自分のところにはなかったが、かつてない揺れに恐怖し、放射能に怯えた。帰宅困難になった友人知人、実家が被害に遭ったり、親族や友達を失った友人知人も沢山いた。


「忘れるな」という自然からのメッセージとして、受け止める。

これ以上、被害がありませんように。



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